トップページ> 側湾症
体を正面から見た場合に、脊柱が左右に曲がっている状態を脊柱側弯症といいます。脊柱は、椎間板と後方左右1対の関節で連結する立体構造のため、
側湾は、回旋・前弯を伴う三次元的な変形となります。
また、湾曲の角度が10°以上であるものが側弯症です。
静岡市でも側湾症の症例が多々ありますが、ある日突然、何の知識も治療の方法もわからない状態で「側弯症かもしれない」と言われたら、誰もが不安になることと思います。
特に成長期の多感な時期に発症しやすい疾患だけに、保護者の方は特に一体どのように向き合うべきなのか心配なことと思います。
そこで、側弯症では正しい知識を持ち適切に治療することが最も重要となります。
1 外見上の異常
片側の背部や腰部の突出、また肩の高さの左右差、骨盤の左右非対称性、肋骨の突出、乳房の形の左右差や背中の膨隆などがみられます。
2 心理的負担、ストレス
側弯変形が大きな心理的ストレスを引き起こす原因となることがあります。
3 痛み
側弯症では変形のある背部や腰部に痛みやこりが出現することがあります。
4 神経症状
先天性側弯・後弯症や神経線維腫症などの局所で鋭角に曲がったタイプの変形では変形が大きい場合、脊髄が障害され、脊髄麻痺を生じる可能性があります。
5 呼吸器症状
進行すると、胸郭が変形し、肺活量の減少や息切れを感じるようになります。
痛みの症状が出ることは稀ですが、進行すると健康に障害を引き起こすことがあります。
思春期側彎症は、通常は背中の痛みの原因とはなりませんが、大きな弯曲では不快感の原因となるかもしれません。 背中の痛みがひどい場合、手足の力が入りにくい場合、しびれがある場合などは医師に相談してください。
側屈で湾曲が消失する非構築性と消失しない構築性に大別され、非構築性は腰椎椎間板ヘルニアにみられる坐骨神経痛性側湾などがあげられます。
構築性側湾症の原因は、多岐にわたりますが、
1 特発性
2 先天性脊柱変形に伴うもの
3 神経筋疾患
4 フォン・レックリングハウゼン病
5 外傷、腫瘍、手術などにより二次的に発生するもの
などに分類されます。
側湾症は発見が遅れれば遅れるほど重症化しやすく、また治療が困難なため早期発見が必要とされますので次の検査を行なってみてはいかがでしょうか?
1 前屈検査における、肋骨隆起、腰部隆起の有無を調べる。
2 左右の脇線の曲線が非対称になっていないか調べる。
3 左右の肩の高さが違っていないか調べる。
4 左右の肩甲骨の高さ、位置が違っていないか調べる。
肩、骨盤の高さの違い、体幹の側方偏位、胸部の変形や肋骨隆起などの外観上の変形を示します。軽症の場合は、前屈時に肋骨部の膨れ上がることにより発見されます。
また、軽症例の治療では運動療法による経過観察、湾曲の角度が20°以上で進行のみられるものには装具療法、手術は40°~50°が判断基準となります。
側湾症の完治はほぼ不可能といわれておりますが、これは手術をしても同じことが言えます。
ここで重要なのは「側湾を悪化させないこと」「他の症状を発症させないこと」この2点です。